車の税金は高い?自動車税のこれまでと他の先進国との比較

今年も日本自動車工業会が自動車にかかる税金の軽減を求める税制改正要望を発表しました。
「今年も」と書いたのは日本自動車工業会はこのような要望はほぼ毎年出してるということです。

それに合わせて日本自動車工業会の豊田章男会長が会見を開き、
「日本の(自動車)ユーザーは世界一高いレベルの税金を負担している。今年こそ、抜本的な改正に取り組んでもらいたい」
と述べ、具体的には自動車税率の引き下げなどを要望しました。

今回はこれまでの自動車税の歴史と、本当に他の先進国に比べて税金の負担が重いのかを調べてみます。

自動車税の導入から現在までの変遷

昭和25年7月31日に施行された「地方税法」において定められました。
ちなみに自動車税は都道府県税自動車重量税は国税自動車取得税は都道府県税です。

当初の税率は以下のようになっていました。
普通自動車自家用(3ナンバー)
3L以下:81,500円
3L以上 6L以下:88,500円
6L超:148,500円

小型自動車自家用(5ナンバー)
1L以下:29,500円
1L以上 1.5L以下:34,500円
1.5LL超:39,500円

現在の自動車税の税額と異なり、3ナンバーか5ナンバーかによっても税額が異なっていました
3ナンバーと5ナンバーの規格についてはこちらをご覧ください
3ナンバーと5ナンバーで自動車税は違う?

昭和59年改定の税率

昭和59年に自動車税が改定され現在の制度になりました。
3ナンバー・5ナンバーによる税額の算定方法が廃止され、排気量に基づくものになりました。
自動車税

エコカー減税により税額が軽減される制度もありますが、基本的な税額は昭和59年の改定時から変わっていません。
エコカー減税による軽減も新規登録の翌年1回のみです。
エコカー減税
逆に、初度登録から13年経過した自動車は自動車税と自動車重量税が重課(税が増える)されます。
13年経過の自動車の税金

自動車に関する税金を他の先進国に比べてみる

財務省の公表した資料がありました。
2,000ccクラスの自家用車の所有を想定した場合の各国の1年あたりの税負担が記載されています。
平成29年12月のものですので最新のデータです。

日本:5.2万円/年
内訳は書かれていませんが、2000ccなので自動車税39,500円、2000ccクラスだとほとんどの車種の車両重量は1.0トン~1.5トンですので自動車重量税は12,300円で合計は51,800円ということでしょう。
ちなみにエコカー減税適用車で本則税額が適用される場合は自動車重量税は7,500円なので合計は47,000円になります。
自動車重量税

自動車にかかる税金について他の先進国との比較

ここから他国の自動車の所有にかかる税金です。
為替レートは2017年12月の為替レートの平均値の1ドル=113円、1ユーロ=134円、1ポンド=151円で計算をしてあるということです。

アメリカ(ニューヨーク州):0.8万円/年

イギリス:3.5万円/年

フランス(パリ地方):0円/年

ドイツ:2.6万円/年

アメリカの年間8,000円は日本に比べると大幅に安いですし、イギリスとドイツも日本の半分くらいです。
フランスにいたっては自動車を所有していても税金はかからないそうです!

これを見る限り確かに「日本の(自動車)ユーザーは世界一高いレベルの税金を負担している」と思ってしまいます。

ただし、これは財務省の公表した資料です。
日本の車体課税が他国に比べて高いという結論で終わるわけがありません。
自動車を所有するには自動車を「購入」しなければならず、自動車を走らせるためには「燃料」が必要です。
「購入」にかかる税金と「燃料」にかかる税金についても記載がありますので見てみます。

購入にかかる税金
自動車の購入の際には取得税(日本の場合は自動車取得税)と付加価値税(日本の場合は消費税)が課税されます。

車体価格(税抜本体価格)2,430,000円の自動車を新車で購入した場合の各国との比較です。
7年間所有するとして、取得時の税額の1/7の金額になっています。

日本:取得課税0.9万円、付加価値税2.8万円の合計3.7万円

アメリカ:取得課税0円、付加価値税3.1万円の合計3.1万円

イギリス:取得課税0円、付加価値税6.9万円の合計6.9万円

フランス:取得課税10.2万円、付加価値税6.9万円の合計17.1万円

ドイツ:取得課税0万円、付加価値税6.6万円の合計6.6万円

購入の際の税負担を比べるとアメリカよりは6,000円増/年ですが、ヨーロッパ諸国よりも負担が軽いことがわかります。
イギリス・ドイツの半分程度ですし、所有に課税されないことに驚いたフランスですが購入時の負担は日本の約4.6倍の13.4万円増/年です。

所有+購入時の車体課税という点で比べると、

日本:8.9万円

アメリカ:3.8万円

イギリス:10.5万円

フランス:17.1万円

ドイツ:9.2万円

となります。

購入して7年所有した場合の1年あたりの税負担を比較すると、アメリカは断トツに低いですが、イギリスとドイツとはほぼ同程度フランスの半分程度ということになります。
この資料を見る限りでは「日本の(自動車)ユーザーは世界一高いレベルの税金を負担している。」とは思いにくいような気がします。

最後に「燃料」についての比較もありますのでそれも記載しておきます。
年間1,000リットルを購入した場合だそうです。
燃費が10~15km/リットルとすると、年間走行距離10,000~15,000kmということになります。
※燃料の価格は含まれません。あくまでも燃料にかかる税金の額です。

日本:6.7万円

アメリカ:5.2万円

イギリス:11.8万円

フランス:12.0万円

ドイツ:11.7万円

ここでもアメリカよりもやや税負担が大きく、ヨーロッパ各国よりもかなり税負担が小さいということになります。

まとめ

自動車税が最後に改正されてから34年が経ちました。[自動車]を取り巻く環境も大きく変わってきています。
軽自動車の税制との違いも含め車体課税が現在の環境にあっているとは言えないように思います。

自動車関連の税の負担減を求めるニュースはこれからも毎年出てくるはずですので、その際にみなさんが考える参考になればと思います。




2018年9月21日
カテゴリー : 自動車の税金関連ニュース, 車体税制関連



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